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イメージを膨らませ曲想をつけてみる

曲想とはその作品から感じ取れる情緒、雰囲気

もちろん作品の構成やテーマ等々はありますが、目には見えない/楽譜にも明確に書かれていない“香り”のようなものを音でどのように表現するか
それがわたしたちピアニストの腕の見せ所、それが演奏の醍醐味ですよね?!
>わたしたちピアニストの…
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

好みのピアニストの演奏を参考にすることも曲想をつけるうえでヒントになりますが、
ほかにも
・作品のタイトルからイメージする
・(影響を受けた/与えたなど)時代背景を調べる
・作曲家の性格/作曲の経緯を調べる
・和声など作品を分析する
資料があればあるほどイメージが膨らんで楽しくなりますね♪

これからチャイコフスキー『舟歌』を仕上げるにあたってわたしも色々と調べて曲想を考えてみました!

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チャイコフスキー『四季』

[時代背景]
チャイコフスキー初期の代表作品『ピアノ協奏曲第一番』がアメリカのボストンで成功をおさめた年に作曲を開始

[作曲の経緯]
『四季』は音楽雑誌『ヌーヴェリスト』の編集者から依頼され作曲、1876年から毎月ロシアの詩人の作品とともに掲載されました。
『四季』副題と各詩は編集者のN.M.Beruardから提案されたもので、チャイコフスキーはそのイメージにあわせ作曲しています。
※ピティナのサイトを参照

1875年12月に『炉端で』『謝肉祭』
1876年1月~4月『ひばりの歌』『松雪草』『白夜』
1876年6月に『舟歌』から『クリスマス』まで作曲し編集者宛てに送られています。

[作品を聴いたイメージ]
冒頭:恋人と過ごした時間を思い出し感傷に浸る
中間部:(回顧シーン)白夜の影響で夜が少し明るい。ふたりは川へ行き水遊びをする
末尾:星空のもとふたたび感傷に浸る

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残された手紙からチャイコフスキーが同性愛者であったとされているので、叶わない恋を想いながら作曲したのかなと想像しました。
『舟歌』の最後は愛しあいながらも悲しい別れ、叶わぬ恋…
※当時の法律では同性愛は違法


ところがですよ!!!
先生のイメージは星空のもと、恋人同士が小舟に乗って消えていくイメージだそう
めちゃくちゃハッピーエンド♪♪

中間部の盛り上がるところなんて…
「ロシア人はお酒が大好きですからね!船頭さんが酔っ払っていい気分で歌っている感じ」

ウォッカ?!ウォッカのみながら小舟をこいでいるの?!
まさかの酔っ払い説に驚愕しました
((´∀`))ケラケラ


そういえば『白夜』のときも冒頭の幻想的な雰囲気を、、
「ロシアは冬が長いから、短い夏を満喫する。気持ちが高揚している感じ」
まさかのハイテンション&浮かれ気分説を唱えていました
(*`艸´)ウシシシ

わたしの先生は実際にロシアに訪れ、ロシアののかたと触れあい、ロシア語を勉強しすべての詩を自分自身で翻訳
またロシアの先生に指導を受け全曲演奏している
活きた情報が多いと上辺だけでない現実的な曲想が思い浮かぶのでしょうか。

先生は先生の曲想を強要することはないので、自分なりのイメージで演奏していますが、、
それにしてもおもしろくて斬新すぎる解釈!気に入ってしまいました♪
((´∀`*))ヶラヶラ


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コメント

「舟歌」の練習、頑張っておられるようですね。😊
曲想、、、音楽は文章と違って言葉であれこれ書かれているのでないので、人によってイメージするところが色々と違い。。。
作曲家が思い描いていたであろうイメージを探るのは基本と思いますが、伝言ゲームのように、人によってことなったイメージ、意味付けをされていくのも、芸術の醍醐味でしょうね。

3月に、住んでいる県内で在京オケの公演があり、上原彩子さんが協奏曲ソリストとして出演されました。(ラフマニノフのパガニーニ狂詩曲とチャイコ1番の豪華2本立て!!)
アンコールも弾かれたのですが、チャイコ四季の中の「3月 ひばりの歌」でした。
ロシアのウクライナ攻撃が激しさを増している時期でもあり、かの地への思いや平和への祈りが、物憂げな曲調にオーバーラップされる思いでした。
これもまた、音楽の持つ力のひとつかな、と思います。

Re: タイトルなし

もとブラス娘さん、こんにちは
コメントありがとうございます!

わたしはチャイコフスキーの性格や人生をもとに悲しい別れを想像しましたが、先生は詩の意味やロシア人の性格を考えて幸せな結末をイメージして…
同じ楽譜、同じ資料を読んでも同じ演奏にはならない。それがおもしろいですよね?!
また、わたしは全体的ピアノ(弱音)で表現しようとしましたが、先生はフォルテ(強音)できらめく感じ
曲想が違えば表現方法も全然違いますよね。

楽譜自体も音友とヘンレ版では全然違っていて(先生が使っている楽譜とも違う)…同じ資料を見ているはずなのに不思議
伝言ゲームのように余計なものが付けたされたり、無くなったりしているのでしょうね。
※ちなみにチャイコフスキーの作品の多くはユルゲンソン社ですが、この作品は『ヌーヴェリスト』の出版社から発行されたので手稿譜は『1月 炉端で』と『3月 ひばりの歌』しか残されていないようです。
そのほかの作品は雑誌編集者が校訂した可能性があるとか、、それでも初版なので原典版の資料になるようですよ。資料もあまり当てにならないかも
(;´Д`)

上原彩子さん、子育てがひと段落したのか最近精力的に活動されていますよね
1回の公演でラフマニノフとチャイコフスキーを弾くとか、、凄すぎます!!さすが!
わたしも『ひばりの歌』すごく好きです。発表会で単独で演奏するには地味すぎる&短すぎますが、いつか別の作品と一緒に弾いてみたいです!
ウクライナ情勢でチャイコフスキーの序曲「1812年」の演奏を取りやめになったり、、クラシック界にも影響がありますね。。残念

No title

かつさんこんにちは^^
舟歌は実はチャイコフスキーのなかでも好きで、ずっと前に独学で音を出したことがあるんです。
イメージの話なので食いついてしまいました(笑)

先生のイメージ面白いですね!人によってホント全然違うんですよね。お酒を飲んでよっぱらい、言われてみたらそんな風にも聞えます(笑)
かつさんはどんなイメージで弾いていらっしゃるんですか?

わたしは、今ではもう二度と手に入らない楽しく幸せだった過去の思い出のイメージでした。
中間部は実際にその楽しかった時の場面がリアルに再現されます。
だけどそれは夢だった・・・夢から覚めて、また現実。悲しいけれど、大事な思い出を胸にしっかりと抱きしめて生きていく。
偶然や感情もろもろが重なって、凍った地面がまだ溶けきらないないうちにまた雪が積もっていくように、心の中にどっしりと根を下ろし、その人自身を作る、そんな「大切な想い」の曲に感じます^^

No title

チャイコフスキーの舟歌のイメージが、まさかまさかのハッピーエンド!?
初めて聞く解釈です。
でも 既成の価値観に囚われずに自由な発想ができるかつさんの先生は素敵ですね。それを生徒に押し付けないところも◎です!
今後もレッスンの中で先生のユニークな解釈があったら(この曲に限らず)、ぜひまたシェアしてくださいね〜

Re: No title

ねこぴあのさん、こんにちは
コメントありがとうございます!

>ずっと前に独学で音を出したことがあるんです。
『舟歌』はねこぴあのさんのイメージがあって、どこかでねこぴあのさんの演奏を聴いたように思っていたのですが…幻聴?自分が怖い!!!
((´∀`))ケラケラ

わたしもねこぴあのさんと同じようなイメージで、中間部は過去の思い出のような気がします。
誰もいない、ふたりだけの世界。川辺で水遊びしたり小舟に乗ったり…楽しい記憶の数々
まさかそこに船頭さんがいるとは!!しかも酔っ払い
(* ´艸`)クスクス

冒頭と最後は中間部と対比するような、ひとりだけの世界。
楽しかった記憶に浸り現実から少し取り残されたような、、
イメージが絶望的(;´Д`)

ピティナの解説を読んでもそれほど悲しいイメージではなくて、どちらかというとロマンティックな感じなのかもしれませんね。
物憂げなのかロマンティックなのか…解釈によって全然違う演奏になりますよね

ねこぴあのさんの『舟歌』、いつか聴いてみたいです♪♪ぜひぜひ

Re: No title

タワシさん、こんにちは
コメントありがとうございます!

こんな物悲しい旋律なのにハッピーエンド?!わたしもびっくりして何度も確認しちゃいました!
((´∀`))ケラケラ

>でも 既成の価値観に囚われずに自由な発想ができるかつさんの先生は素敵ですね。それを生徒に押し付けないところも◎です!
そうなんです!技術的なことは明確な指示があるけれど、曲想のようなものはアドバイスはあっても基本的に生徒の意思を尊重してくれます。

わたしのようなアマチュアのほうが難しいことを考えず自由な発想で弾けそうな気がしますが、、まじめでステレオタイプな演奏になりがち。。
深い知識や経験が、オリジナルな発想につながるのでしょうか。やっぱりピアニストって凄いですね。

先生のユニークな解釈が聴きたくて『四季』全曲弾きたくなりました
( ´∀` )

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プロフィール

かつさん

Author:かつさん
小学校から高校までの約10年間ピアノを習い続けましたが

ハノン+ソナチネ+チェルニー30番+インヴェイションしかたどり着けずorz..

20年だった今ではバイエルすら満足に弾くことができません。

もはや、逆に奇跡!!!!

※リンクについて

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